安全でおいしいコーヒーが飲みたい、気がきくプレゼントを考えている、そんな時に気になるのがオーガニックコーヒーですよね。
熱帯雨林や高山の恵みを受けて育つ自然派コーヒー、なんだか心が洗われそうです。
ただ「オーガニックのコーヒーなら何でもおいしい!」というわけでは無いのが大問題なんですね。
コーヒー豆の等級や種類、焙煎の違いを知っておけば、おいしいオーガニックコーヒーを誰でも選ぶ事ができますよ。
オーガニックコーヒーの基礎知識から選び方まで、大事な情報をわかりやすくまとめました。
まず、普通のコーヒーとオーガニックコーヒーは何が違うのでしょうか。
実は同じコーヒーの品種でも、育て方次第でオーガニックコーヒーと認定されるんですよ。
今さらちょっと聞けない、オーガニックコーヒーの基礎知識から紹介しますね。
オーガニックとは「有機栽培の」という意味の言葉です。
有機栽培とは農薬や化学肥料を使わない、とってもクリーンな農業スタイルの事なんですね。
この有機栽培で育てられた健やかなコーヒー豆こそ、オーガニックコーヒーなんです。
オーガニック栽培なら残留農薬がなく安全に飲めるので、安心なコーヒー豆なんですね。
そして、コーヒーは特にオーガニックの品を選びたい農作物でもあります。
殺虫剤を使ってコーヒー畑の害虫を退治する事がありますが、この殺虫剤は超強力です。
コーヒーを食い荒らす唯一の害虫をブロッカといい、生命力がすごく強い虫なんですね。
小さな虫ですが、ほとんどの生き物には毒になるカフェインが効かない性質を持っています。
止むを得ず、超強力な殺虫剤でブロッカを退治するしかない農園も多いんですね。
ブロッカ退治用の農薬は1度散布すると、2週間は農園に入れないほど毒性の強い殺虫剤です。
もちろん、残留農薬の量は出荷の時にチェックされますが、やっぱり安全面が不安ですよね。
オーガニックコーヒーはその殺虫剤を使っていないので、安心して飲めるコーヒーなんです。
しかも、オーガニックと表示するためには、有機栽培の基準をクリアして認定されなければいけません。
日本でオーガニックを名乗る場合、過去2年間は農薬や化学肥料が不使用の土地で育てないと、農林水産省が有機栽培と認定しません。
輸入したコーヒー豆も、この基準をクリアしたものだけがオーガニックコーヒーを名乗れるんですね。
栽培の記録も農林水産省が認めた登録認定機関が調べるので、ごまかしはききません。
オーガニックの安心と安全は、国がしっかりチェックしているんですね。
そして、オーガニックコーヒーは世界をハッピーにする力も持っています。
コーヒーの生産国は概ね南米やアフリカなど、発展途上の国ですよね。
そこで作られるオーガニックコーヒーを適正価格で輸入して売る、それがフェアトレードなんです。
コーヒー豆を安く買い叩くのではなく、適正な価格で買う事で農園で働く人々の収入が増えるんですね。
オーガニックコーヒーを選ぶ事で、学校に通える子供や清潔な水を飲める人たちが増えるんです。
実はスターバックス、コメダコーヒー、キーコーヒーなど、大手のカフェや喫茶店でもフェアトレードのコーヒー豆が買えますよ。
喫茶店でカエルのマークを見た事がある人もいるかも知れません。
このマークは、オーガニック、環境保護、フェアトレードの基準を全て満たしたコーヒーに与えられるものなんですね。
カエルマークはレインフォレスト・アライアンスという団体のものなので、ぜひ探してみて下さい。
おいしいコーヒーを味わいながら世界を幸せにする、それもオーガニックコーヒーの良さなんです。
安全で社会貢献もできるオーガニックコーヒーですが、肝心の味や香りはどうなのでしょうか。
「オーガニックコーヒーって高いし、きっとおいしいんじゃない?」と思った人もいますよね。
実はそんな事もなく、農薬や肥料を使わないという違いだけで味や香りは別問題なんです。
実は、コーヒーは動物にとって毒になるカフェインを含むため、害虫がつきにくい植物です。
そのため、最初に紹介したブロッカがいない地域では、それほど農薬が必要無いんですね。
放置状態でも無農薬と化学肥料不使用には違い無いので、オーガニックに認定されてしまうんです。
密林で半分野生のコーヒーの木から実を収穫している農園も実はあるんですね。
よほど良い土地でもなければ、手入れされてないコーヒーの実はそれなりの味しかしません。
オーガニックコーヒーだからおいしいのではなく、ちゃんとおいしい物を選ぶ必要があるんです。
本当においしいオーガニックコーヒーはどれか、実は選び方にポイントがあります。
実は、コーヒーにはプロがつけたおいしさの等級があるんですね。
つまり、等級が高い豆を選べばおいしいオーガニックコーヒーに絶対ありつけるんです。
他にも豆の銘柄や焙煎の具合でも、味が大きく変わります。
酸味がさわやかなコーヒーか、コクと苦味があるストロングな味か、好きな豆を選ぶと良いんですね。
まず、コーヒーの等級、豆の種類、焙煎の具合の順番に説明したいと思います。
その後で、おすすめのオーガニックコーヒーを紹介するので、ぜひ読み進めて下さいね。
日本やアメリカでは、特においしいコーヒー豆をスペシャルティコーヒーと呼びます。
実際にコーヒーのプロがテイスティングして「これはおいしい!」というものを認定するんですね。
日本スペシャルティコーヒー協会では、スペシャルティコーヒーの基準が決められています。
つまり、クリアで甘さと酸味が楽しめて、口あたり滑らかで後味が良いコーヒーがスペシャルティコーヒーです。これは絶対においしいですね。
味のバランスや産地ごとの個性も評価ポイントなので、同じスペシャリティコーヒーに認定されても味はバラエティ豊かですよ。
贅沢においしいコーヒーを楽しむなら、断然スペシャルティコーヒーですね。
ただ、ここまで厳選されたスペシャルティコーヒーはおいしいだけに値段も高いです。
もうちょっと安いのでいいから、そこそこおいしいオーガニックコーヒーが欲しい人もいるはずです。
そんな時は、各国の等級で1番良いものを選べば、そこそこおいしいコーヒーが飲めるんですね。
基準は豆の大きさ、産地の高度、使えない豆が混じっていないかなどで評価されます。
コーヒーは標高の高い土地で育てると、味や香りがグンと良くなります。
そのため、コーヒーが育った土地の標高別に等級を決める国が多いんですね。
SHBやSHGと書かれた豆は各国で最高等級なので、おいしい可能性が高いんです。
中でも意外に知られていないのが、ブルーマウンテンはブランドであると同時に、ジャマイカコーヒーの最高等級という事です。
ブルーマウンテンは標高が高く、最高のコーヒーが取れる特別な土地だからなんですね。
ただ、ブルーマウンテンで有機栽培している農場は今のところ無いのが残念です。
ブルーマウンテンの木をハイチで育てたオーガニックブルーというコーヒーがあるので、味わってみるのもひとつですね。
他にも、豆の大きさや形で等級が決まる国も多くあります。
虫食いや割れなど、欠点豆の割合が少ないほうが上等、という国も多いんですね。
ブラジルやコロンビアは豆の大きさで等級をわけており、スクリーン20が最も大きなサイズです。
スクリーン20とは、8mm大のコーヒー豆なので、かなりの大粒ですね。
タンザニアやハワイだと、欠点豆の少なさで等級が決まります。
ただ、サイズや欠点豆の少なさはあくまで目安で、必ずおいしいとは言えません。
ブラジルではテイスティングした結果も等級に反映されるので、この中では選びやすいと言えますね。
ブラジルコーヒーなら、1番おいしいStricity Softの等級を選ぶと良いでしょう。
ほかにも、オーガニックコーヒーをおいしく飲むなら自分好みの豆を選ぶ事も大事です。
よくキリマンジャロやモカなど銘柄を聞きますが、それぞれ味に個性があるんですよ。
豆の銘柄 | 味の特徴 |
---|---|
コナ | 強い酸味とコクがあって風味豊か |
キリマンジャロ | 強い酸味とコクがあり焙煎により味わいが変化 |
モカ | 独特の酸味とコクがあり好き嫌いが分かれる |
グアテマラ | 酸味とコクがあり華やかな香り |
ブラジル | 甘く酸味、コク、苦味のバランス良し |
コロンビア | 酸味と甘みが強めで少し個性的 |
マンデリン | 苦味とコク中心で酸味が無いストロングな味 |
ケニア | フルーティーで風味が強い華やかな味 |
ブレンドコーヒー | 店主の好みで色んな豆を飲みやすくブレンド |
ブルーマウンテン | 軽い口当たりで香りも良い ※今のところオーガニック栽培はされていない |
コナやキリマンジャロ、モカ、グアテマラなどは、オーガニックコーヒーがたくさん栽培されています。
ただし、ブルーマウンテンはオーガニックのものが売っていないので、今後に期待ですね。
また、お店ごとに豆を混ぜて独自の味を生み出す、ブレンドコーヒーもありますね。
お店を代表するブレンドコーヒーは飲みやすく、みんながおいしいと感じる味に調整されています。
何もわからない時は、ブレンドコーヒーを選ぶのもひとつの方法ですよ。
しかし、コーヒーは豆そのものの質だけでなく焙煎、つまり豆を煎るの技術でも味が変わります。
オーガニックコーヒーも例外ではなく、焙煎の具合をチェックするのも大事なんです。
こんな味ならこんな焙煎を選ぶべき、というポイントも紹介しますね。
焙煎とはローストする事で、乾燥させただけの生豆からおいしいコーヒーを生み出す技術です。
ローストを浅くするか深くするかで、同じ豆でも全く味が変わってくるんですよ。
焙煎の深さ | 呼び名 | コーヒーの味 |
---|---|---|
浅煎り | ライトロースト | 青臭い酸味がある |
浅煎り | シナモンロースト | 少し青臭い酸味がある |
浅煎り | ミディアムロースト | さっぱりした酸味 |
中浅煎り | ハイロースト | 苦味とコクと酸味が両立 |
中煎り | シティロースト | 飲みやすい苦味とコクで1番人気 |
中煎り | フルシティロースト | 深い苦味とコク |
深煎り | フレンチロースト | 苦味とコクが強くエスプレッソやアイスコーヒー向き |
深煎り | イタリアンロースト | 濃厚な苦味でアイスコーヒー向き |
ライトロースト、シナモンローストは豆の青臭さが残るので、あまりお目にかからない焙煎ですね。
どれがいいかわからないと思ったら、シティローストを選ぶと1番バランスが良いでしょう。
特に酸味が好きならミディアムロースト、苦味が好きならフルシティローストがおすすめです。
味の好みは人によって違うので、自分好みの焙煎度を知るのもコーヒーを味わうコツですよ。
また、焙煎の腕前もコーヒー屋さんによって違うので、いろんなお店を巡ってみましょう。
で、結局どの銘柄や焙煎具合のオーガニックコーヒーが飲むとおいしいの?と思いますよね。
酸味が好きか苦味が好きか、それともバランス重視かで選ぶと失敗が無いんです。
これでどのオーガニックコーヒーを選べば良いか、もう迷いませんね。
プレゼントを選ぶ時も「コーヒーの酸味と苦味、どっちが好き?」と聞いておくと、失敗がありませんよ。
安全性が高く、おしゃれなパッケージが多いオーガニックコーヒーは贈り物としても人気です。
相手の好みやライフスタイルに合ったコーヒーを選べば、受け取った人の喜びも100倍ですよ。
あの人を喜ばせたい時に役立つ、オーガニックコーヒーギフトのアイディアを紹介しますね。
コーヒー通のへのプレゼントなら、断然豆まるごとのオーガニックコーヒーですね。
お店で挽いてもらうより、飲む直前にコーヒーミルで挽いたほうが香りが良いんです。
相手が好きな銘柄を前もってこっそり聞いておくと、さらに喜ばれますね。
最低でも、酸味と苦味どちらが好みかわかると豆の銘柄が選びやすくなります。
また、オーガニックのコーヒーには、小包装のドリップやインスタントタイプもあります。
小包装のドリップコーヒーは洗い物も出ませんし、小包装だと香りも飛ばないのも良いですね。
インスタントコーヒーもスティックタイプの小包装が大人気です。
オフィスでサッとお湯に溶かして飲めるので、ちょっとしたお礼にインスタントコーヒーも最適ですよ。
オーガニックの上質なインスタントコーヒーをアイスクリームにトッピングする裏技もあります。
アイスにコーヒーの香りが加わると、ティラミスみたいな風味になっておいしいんです。
カフェイン摂取を避けたい妊婦さんには、カフェインレスのオーガニックコーヒーも喜ばれます。
豆を化学的に処理する事でカフェインだけを抜くので、コーヒーのおいしさはそのままなんですね。
ギフトを選ぶ時に、ノンカフェイン、デカフェと書いてあるものを選べばOKです。
オーガニックとカフェインレスで二重の安心、妊婦さんも喜びますね。
同じオーガニックコーヒーのギフトでも色んなアイディアがあるので、相手に合わせて選んでみましょう。
では最後に、オーガニックコーヒーについて、大事なポイントをまとめたいと思います。
オーガニックコーヒーは安全で環境にも優しいですが、おいしさは保証されません。
コーヒーは味や香りが何より大事なので、スペシャルティコーヒーを選ぶと間違いありませんよ。
プロが味見して認定するので、プレゼントに選ぶにもスペシャルティコーヒーは最高ですね。
また、苦味が好きか酸味が好きか、コーヒーは味覚の好みと向き合う飲み物でもあります。
ギフトとしてプレゼントする時も、相手の味の好みに合う豆や焙煎を選んであげましょう。
自分でも飲み比べながら、好みのオーガニックコーヒーを見つけて下さいね。